予期せぬ身内の不幸により、予定していた旅行や宿泊のキャンセルを余儀なくされる場合があります。そのような大変な状況で、ホテルのキャンセル料は一体いくらかかるのか、支払う必要があるのか、多くの方が不安に思うことでしょう。
この記事では、身内の不幸という特別なケースにおける、旅館を含むホテルのキャンセル料の対応方法について、法律上の観点や、台風など天災の場合との違いも交えながら分かりやすく解説します。当日になってしまった場合の返金の可能性や、キャンセル料の支払いや請求を避けるための適切な連絡方法を知ることで、落ち着いて対処することが可能になります。
この記事を読んでわかること
- 身内の不幸におけるホテル側の一般的な対応
- キャンセル料が免除・返金される可能性のあるケース
- ホテルへ連絡する際の適切な伝え方とタイミング
- キャンセル料に関する法律上の基本的な考え方
ホテルキャンセル料、身内の不幸の場合の規定を解説

- ホテルのキャンセル料はいくらかかる?
- 旅館の宿泊キャンセルも同様の対応か
- 台風など天災が理由のケース
- キャンセル料の支払いに関する法律
そもそもホテルのキャンセル料はいくらかかる?
ホテルのキャンセル料は、宿泊施設や予約したプラン、そしてキャンセルを申し出たタイミングによって大きく異なります。なぜなら、各ホテルがそれぞれ「宿泊約款」というルールを定めており、その中でキャンセルに関するポリシー(キャンセルポリシー)を具体的に規定しているためです。
一般的には、宿泊日に近づくほどキャンセル料は高くなる傾向にあります。多くのホテルでは、以下のような料金体系が採用されています。
| キャンセルのタイミング | キャンセル料の目安 |
|---|---|
| 宿泊日の2日前まで | 無料~宿泊料金の10%程度 |
| 宿泊日の前日 | 宿泊料金の20%~100% |
| 宿泊日の当日 | 宿泊料金の80%~100% |
| 連絡なしの不泊 | 宿泊料金の100% |
例えば、国内の主要なホテルのキャンセル規定は以下のようになっていますが、ホテルやプランによって条件は異なるため、必ずご自身の予約内容を確認することが大切です。
| ホテル名 | 前日 | 当日 | 連絡なし(不泊) |
|---|---|---|---|
| プリンスホテル | 20% | 80% | 100% |
| 東急ホテルズ | 100%(15時以降) | 100% | 100% |
| ニューオータニ | 20% | 80% | 100% |
| アパホテル | 無料 | 100% | 100% |
このように、前日であっても高額な料金が発生するケースは少なくありません。予約時には、キャンセルポリシーを事前にしっかりと確認しておく習慣が、万が一の事態に備える上で重要になると考えられます。
旅館の宿泊キャンセルも同様の対応か
基本的に、旅館における宿泊キャンセルの対応もホテルと同様です。ホテルと同じく、各旅館が定めた宿泊約款に基づいてキャンセル料が設定されており、キャンセルのタイミングに応じて料金が請求される仕組みになっています。
ただ、大規模なホテルチェーンとは異なり、個人経営などの小規模な旅館の場合、より事情を汲んだ柔軟な対応をしてもらえる可能性もゼロではありません。とはいえ、これはあくまで可能性の話であり、すべての旅館がそうであるとは限りません。
そのため、旅館だからといって特別な対応を期待するのではなく、まずはホテルと同様に宿泊約款で定められたキャンセル規定を確認することが基本となります。その上で、速やかに連絡を取り、事情を丁寧に説明して相談するという手順を踏むのが賢明な方法です。
台風など天災が理由のケース
台風や地震、豪雪といった自然災害が理由でキャンセルせざるを得ない場合は、身内の不幸とは異なり、キャンセル料が免除されやすい傾向にあります。
この理由は、天災が個人の事情とは異なる「不可抗力」と見なされるためです。例えば、台風の接近により航空便が欠航したり、公共交通機関が計画運休したりすると、物理的に宿泊施設へ向かうことが不可能になります。このような状況下でキャンセル料を請求することは、宿泊客にとって酷であるとホテル側も判断するわけです。
実際に、公式サイトで天災時の対応を明記しているホテルもあります。
- 星野リゾート: 気象庁による特別警報が発令された場合や、交通機関の運休などで物理的に宿に到着できない場合にキャンセル料を免除するとしています。(参考: キャンセル料はかかりますか | 星野リゾート公式サイト)
- アパホテル: 地震や台風などの天災が理由の場合は、個別に相談を受け付けることを明記しています。(参考: ビジネスホテルのキャンセル料|【公式】アパ直なら、比較なしで最安値。【新都市型ホテル|ビジネスホテル】)
一方で、身内の不幸は個人的な事情と区分されるため、天災と同列に扱われることは少なく、対応もホテル側の判断に委ねられるのが一般的です。
キャンセル料の支払いに関する法律
ホテルの宿泊予約をキャンセルした際に発生するキャンセル料の請求は、法律的にも認められた正当な権利です。宿泊予約は、予約が成立した時点でホテルと宿泊客との間で「宿泊契約」が結ばれたことになります。
宿泊客の都合でこの契約を一方的に破棄(キャンセル)する場合、ホテル側は本来得られるはずだった利益を失うことになります。例えば、その部屋を他の客に販売する機会を失ってしまうわけです。このホテル側が被る損害を補填するために請求されるのがキャンセル料であり、民法における「損害賠償請求」の一種と位置づけられています。
また、消費者契約法では、事業者が請求するキャンセル料が「平均的な損害の額」を不当に超えている場合、その部分は無効になると定められています。しかし、ホテルが宿泊約款で定めている一般的なキャンセル料の範囲が、この法律に抵触するケースは極めて稀です。
これらの理由から、宿泊約款に記載されているキャンセル料については、原則として支払い義務が発生するという点を理解しておく必要があります。
身内の不幸によるホテルキャンセル料の対応と連絡方法
- 当日キャンセルでも返金される可能性
- キャンセル料の請求を避ける連絡方法
- 返金が可能になるケースと必要書類
- よくある質問をQ&Aで分かりやすく解説
- ホテルキャンセル料、身内の不幸の際のまとめ
当日キャンセルでも返金される可能性
多くのホテルの宿泊約款では、当日のキャンセルは宿泊料金の80%から100%という高額なキャンセル料が規定されています。しかし、身内の不幸というやむを得ない事情がある場合、規定通りに請求されるとは限りません。返金やキャンセル料の免除といった特別対応をしてもらえる可能性は残されています。
その理由は、多くのホテルが規則一辺倒ではなく、人道的な観点から個別の事情を考慮して対応することがあるためです。公式サイトや宿泊約款に「身内の不幸の場合は免除」といった記載がなくても、現場の支配人や担当者の裁量、あるいは会社としての方針によって、柔軟な判断がなされるケースは少なくありません。
ただし、これは非常に大切な点ですが、あくまでホテル側の「善意」や「厚意」による対応です。宿泊客側が返金を要求する権利があるわけではありません。したがって、相談する際は、規定では支払い義務があることを理解した上で、あくまで「お願い」や「相談」という謙虚な姿勢で臨むことが不可欠です。
キャンセル料の請求を避ける連絡方法
身内の不幸という事情をホテル側に理解してもらい、キャンセル料の請求に関して配慮をしてもらうためには、連絡の方法が非常に重要になります。
連絡のタイミングと手段
まず、不幸が判明した時点で、可能な限り迅速に連絡を入れることが大切です。時間が経てば経つほど、ホテル側が部屋を再販できる可能性が低くなり、交渉が難しくなる場合があります。
連絡手段については、予約サイトのキャンセルフォームやメールではなく、ホテルに直接電話をすることをお勧めします。電話であれば、担当者に直接、声のトーンや言葉遣いからこちらの誠意が伝わりやすく、事務的な対応で終わってしまうことを避けられます。また、その場で今後の手続きについて具体的な指示をもらえるという利点もあります。
伝え方のポイント
電話で事情を説明する際は、まず予約者名と宿泊予定日を伝え、キャンセルしなければならなくなった理由を正直に、かつ冷静に話すことが鍵となります。
「身内の不幸がありまして、大変申し訳ないのですが、今回の宿泊をキャンセルさせていただきたく、ご連絡いたしました」
このように、丁寧な言葉遣いで切り出します。感情的になってしまったり、キャンセル料の免除を強く要求するような高圧的な態度を取ったりすることは、かえって心証を悪くし、スムーズな解決を遠ざけてしまうため、絶対に避けるべきです。あくまでも、ホテル側の対応に感謝する気持ちを忘れずに、相談する姿勢を貫きましょう。
返金が可能になるケースと必要書類
ホテル側が身内の不幸という事情を汲み取り、キャンセル料の免除や返金といった特別対応を認めてくれた場合、その証明として公的な書類の提出を求められることがあります。
これは、不正なキャンセル理由の申告を防ぐとともに、ホテルが社内規定に沿って経理上の処理を進めるために、客観的な証拠を必要とするためです。どのような書類が必要になるかはホテルによって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
- 死亡診断書または死体検案書のコピー
- 会葬礼状
- 火葬(埋葬)許可証のコピー
- 戸籍謄本など、故人との関係性が分かる書類
航空会社のJALでは、二親等以内の親族の不幸によるキャンセルにおいて、これらの書類を提出することで手数料なしでの払い戻しに応じています。(参考: 身内の不幸があった場合、予約の変更や取り消しはできますか。|JAL公式サイト)ホテルにおいても、同様の対応が取られる可能性があると考えておくとよいでしょう。
また、事前に「Travelキャンセル保険」のような旅行キャンセル費用を補償する保険に加入している場合も、保険金を請求する際にこれらの証明書類が必要となります。
よくある質問をQ&Aで分かりやすく解説
ここでは、身内の不幸によるホテルのキャンセルに関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。
予約サイト経由の予約はどうすればいい?
楽天トラベルやじゃらんnetといった予約サイトを通じて予約した場合でも、まずはホテルに直接電話で連絡し、事情を説明することをお勧めします。ホテル側で特別対応の了承が得られた後、その指示に従って予約サイトのシステム上でキャンセル手続きを行うのが最もスムーズな流れです。場合によっては、ホテル側から「予約サイトのカスタマーサービスに連絡してください」と案内されることもあります。
不幸があった親族との関係性は問われる?
航空会社などでは「二親等以内」のように明確な範囲が定められていることがありますが、多くのホテルの場合、キャンセル料免除の対象となる親族の範囲について明確な規定はありません。そのため、最終的にはホテル側の個別判断となります。一般的には、両親、子、兄弟姉妹、祖父母といった近しい親族が想定されますが、正直に事情を説明し、ホテル側の判断を仰ぐのがよいでしょう。
キャンセル料を支払わなかったらどうなる?
前述の通り、宿泊約款に基づくキャンセル料には法的な支払い義務があります。もし連絡もせずに支払いを無視し続けた場合、ホテルから電話や書面での督促が行われる可能性があります。それでも応じないなど、対応が悪質だと判断された場合には、少額訴訟などの法的措置に発展するリスクもゼロではありません。問題がこじれてしまう前に、誠実な姿勢でホテルに連絡・相談することが何よりも大切です。
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国内ホテルの格安予約サイト『一休.com』ホテルキャンセル料、身内の不幸の際のまとめ
この記事で解説した、身内の不幸によるホテルキャンセル料に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- ホテルのキャンセル料は宿泊約款で規定されている
- 身内の不幸に関するキャンセル料の特例を明記しているホテルは限定的
- 公式な規定がなくても個別に対応してくれる可能性は十分にある
- キャンセル料の免除や返金はホテル側の善意による対応と心得る
- 法律上はキャンセル料の支払い義務が発生することを理解しておく
- 不幸が判明したらすぐにホテルへ直接電話で連絡するのが最善の方法
- 事情は感情的にならず、正直かつ丁寧に説明する
- ホテル側の厚意に感謝の気持ちを伝えることが大切
- 証明書類の提出を求められる場合があることを想定しておく
- 一般的に死亡診断書や会葬礼状などが証明書類として用いられる
- 台風や地震といった天災によるキャンセルとは扱いが異なる
- 予約サイト経由の予約でも、まずはホテルに直接連絡して相談する
- 旅館の場合も基本的にはホテルと同様の対応となる
- 万が一に備え、旅行キャンセル保険への加入も有効な選択肢
- 規定で決まっているからと諦めずに、まずは相談してみることが重要